佐伯香也子のブログ

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風俗資料館のお休み

私の私家版(紙の本)を扱って下さっている風俗資料館(飯田橋)は、’14年6/2〜6/30まで改装のため休館である。

本は紙に限るという方もたくさんいらっしゃると思うが、最近は電子書籍も充実してきているので、もしご興味がおありならお試しいただきたい。

私がKindle(キンドル)でだしているものは13冊。
タブレットかスマホをお持ちで、AmazonのIDがおありなら、アプリを入れてすぐに読んでいただける。
キンドルのタブレットは私も使っているが、価格がお手頃で他のことも色々できて楽しい。



目的が読書だけで、白黒の画面でもよければ、もっとお求めやすいKindleペーパーホワイトもある。



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佐伯香也子の紙の本一覧

『美人秘書監禁!甘美な拷問』(マドンナメイト文庫)をお読みになって、私の他の紙の本も読んでみたいと思って下さる方が少なからずいらっしゃるようなのだ。
本当にありがたいことである。

ここでは、現在入手可能なものをご紹介しようと思う。
すべて飯田橋の風俗資料館でお求めいただける。
通販もしている。

http://pl-fs.kir.jp/pc/book/index.htm

『イシスの裏庭』(SM同人誌、2010年刊) 1800円

*佐伯香也子または立森あずみ作品として以下を収録
 「ペインクリニック*ファイル1若菜」
 「やさぐれM night(ドレイになんかならないもん!)」
 翻訳「時間外診療」(原作アリス・リデル)
 「イシスのしずく」(俳句集「水の神殿」の一部を掲載)

『アニスタ神殿記』(2012年刊)  2000円

『一ヶ崎 小暮院』(2013年刊)   650円

『官能俳句集 水の神殿』(2013年刊)  650円

なお、2010年刊の『佐伯香也子小説集1』は現在絶版である。
もともと限定30部だったので、出回っている量が少ない。
資料館へ行けば読むことができるし、依頼すればコピーもしてくれる。
コピーの郵送も可能である。

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佐伯香也子作品リスト

<折り鶴> 『マニア倶楽部』掲載

 第二次大戦中、帝大生の薫は、屋敷の運転手の可憐な娘・小夜を蔵の中へ誘い、浣腸、導尿、異物入れなど淫靡な性戯にふけり始める。
 薫に想いを寄せていた小夜だったが、最初はさすがに抵抗を示した。
 だが、次第に快楽に目覚め、愛らしい喜びを示すようになる。
 そんなおり、薫がついに出征することになる。
 小夜は、たとえ薫が戻れても正式な結婚などできないことを承知の上で、目に一杯涙をためながら、赤い糸でつながれた夫婦鶴を手渡す。
 しかし終戦後、薫が戦地から戻ってみると、屋敷は空襲で焼け、小夜もその際に亡くなっていた。
 薫の手には、小夜の折った夫婦鶴だけが残った。

■評
「これは是非映像化してみたいです」(『マニア倶楽部』編集長)
「山本タカトという方のイラストをイメージしながら拝見しました」
「またしても佐伯マジックで体に変調をきたしました。
 ご本人と小説とのギャップとかもあいまって興奮してしまいます」
「話運びは相変らず上手いですねー」(以上読者)



<ペイン・クリニック ファイル1若菜> 『マニア倶楽部』掲載

 美しい中州・朱鷺島にある「ペイン・クリニック」は、痛みを取るのではなく、与えるサロン。
 自分の嗜好や妄想を誰にも言えずにいた乙女がやってきては、「先生」に苦しい胸の内を語り始める。
 今日の患者、清楚な大学生・若菜を苦しめていたのは、「針によるお仕置き」妄想だったのだが、素敵なドクター堂島によって夢をかなえてもらう。



<ペイン・クリニック ファイル2詩穂>

美しい画商・詩穂は、幼い頃から自分が拷問されるところを想像していた。仕事をハードにこなしながら、自分の拷問妄想を実現し、欲求不満を解消するため、ペイン・クリニックで治療を受け始める。
彼女を担当したドクター不動は、専制君主の威厳をそなえた人物で、激しい苦痛を望む詩穂の願いをいつも期待どおりにかなえてくれた。
不動は初めての治療の時から詩穂に魅了されていた。
しかし、クリニックには患者を誘惑してはいけないというルールがあり、紳士である彼は自重していた。
しかし詩穂のほうでも、回数をかさねるうちに、次第に不動に惹かれてゆく。

■評
「描かれている行為は“痛み”だけれど、殺伐とした所謂残酷なイメージではなくて、まるで夢いっぱいの乙女小説を読んでいるような、上品で甘い雰囲気にドキドキしました」(風俗資料館館長・中原るつ氏)



<コレクターズ・クラブ*リナ> 私家版『佐伯香也子小説集1』所収

 人間の飼育を趣味とする者たちの集まりである「コレクターズ・クラブ」で、今夜も例会が始まった。
 今夜のプレゼンターは坂上という初老の男。彼の可愛い飼育奴隷リナを映した映像が流れ始める。
 路地での放尿、お尻をむき出しにしてのリモコンによるローター、街中での脱糞、夜の男ハント〜公園ファック等々、いわゆる露出プレイの数々が披露される。
 そして最後は、複数の男達に公園で大量浣腸され、苦しみと愉悦の中で、もはや人ではなくなってゆくリナが映し出される。
 しかし、人でなくなってからのほうが、リナは美しく見えた。

■評
「淡々と記録されたビデオの状況を解説していく書きぶりがいいですね。
洋画スリラーの『クローバーフィールド』を彷彿させました。
調教がどんどんエスカレートしてゆき、どうなっちゃうんだろうと心配し始めたところでビデオがエンドを迎えるあたりも心憎いですね。
とても良い作品だと思います」(読者)



<コレクターズ・クラブ*芳春> 『秘性』掲載

 中国在住の貿易商・新堂が、奴隷を自分好みに人体改造した過程を映像で紹介する。
 新堂の望みは「毎日自分の汚物を食べてくれる便器奴隷が欲しい」というものだった。
 今までに何度も失敗し、もう諦めようと思った時、その願いをかなえたいというスカトロ趣味の女性・芳春が現れる。
 新堂は、芳春に自分の排泄物を毎日少しずつ食べさせ、彼女の体を糞食にならしてゆく。やがて完食できるようになると、歯をすべて抜いて便器型のギブスに入れ、骨を変形させる。
 それから、さらに完璧な便器人間に仕上げるべく、次々と課題を与えてゆくのだが、順調と思われた調教に意外な結末が訪れる。
 
■評
「次にどうなるんだろう、どうなるんだろうと思いながら、一気に読んだ」
「便器として完成した芳春が、公衆便所の汚物を食べる“外食”がよかった」
(以上読者)



<一ヶ崎 小暮医院> 『カルテ通信』掲載

 八歳の泰聖が、母に連れられていった伯父の医院には、早雪という病弱な女の子がいた。早雪は初雪の降る晩に捨てられていた子供で、伯父が養子として育てていた。
 ほとんど学校にも行けない早雪のために、泰聖は長い休みのたびに、必ず伯父の医院を訪れるようになる。そして、中学生の時に早雪に施される治療をかいま見、胸の内が怪しく騒ぐのを抑えられずに自慰をしてしまう。
 そんな不埒な自分を責め、また苦しむ早雪を可哀想に思いながらも、この世にこれ以上美しいものはないとまで思い、泰聖は医者になる決心をする。
 しかし、それはすべて伯父の思惑どおりだった。 

■評
「ほのかに猟奇の香る、すばらしい内容だと思います! 法がゆるすなら実写で撮りたいぐらいです」(『カルテ通信』編集長)



<球形の淫夢> 私家版『佐伯香也子小説集1』所収

 「私」が「先生」に連れられていったクラブでは、「性具人」と呼ばれる改造人間達が売買されていた。
 美しい外科医にしてオーナーのMJや、多彩な性具人たち。そして、謎に満ちた「先生」。
 「私」は最初嫌悪感を抱きながらも、次第にその幻想的な魔力に絡めとられていく。

■評
「江戸川乱歩の『パノラマ島奇譚』のような楽しさ」(画家・室井亜砂二氏)
「催し→オークション→主人公拐かされ→性奴隷の陳腐なパターンを予想してしまいましたが、自分の予想を覆す意外性があり興味深く読ませて頂きました。
 屋上庭園のシーンはSFファンタジーの物語みたいでしたよ」
「『球形の淫夢』に惹きつけられました。
 ただ表層に文字を置いているのでなくて、深く大きな層でのダイナミズムを感じます。
 乱歩、沼正三、澁澤龍彦・・・関連して思い起こす作家もあります。
 しかしこの語り手(SM小説を書いている私)は彼らとまったく違う視点を手にする可能性があるようにも。
 『球形の淫夢』はSMの論理、言うなれば「弱さの真実」をつまびらかとするための大きなサーガとなりうるのではないでしょうか。
 美しく、最高にエロい体験をありがとうございます」
(以上読者)



<机の下の楽園> 私家版『佐伯香也子小説集1』所収

 翻訳家の久我は、親友の佐久間に頼まれて、SMバーへ一緒に行く。
 そこに、子猫のような雰囲気をもつミュウが客としてやってくる。
 最初は軽い気持ちで口説いた久我だったが、ミュウの一途さに触れ、一緒に暮らし始める。
 Mとしての自覚はあっても、SMはまったく未経験だったミュウを、久我はたくみにリードし、愛らしい奴隷へと調教してゆく。
 すれ違いもあったが、傷ついた心を互いに抱きしめ合うようにして、二人は愛を深める。
 だがある日、ミュウは突然帰ってこなくなる。そして、久我の知らなかったミュウの姿が、次第に浮かび上がってくる。
 SMに題材をとった、青春純愛物語。

■評
「空想の世界だとわかっていても、涙がでてとまらなくなりました。こういう愛の生活ができたら、どんなにか感動的ですばらしいことでしょう」(読者)
「純愛小説としての心理でのディテールが細やか描かれていて、さすがに読み応えがありますね。感覚がとぎすまされていて心をうたれました。
 SM物といっても行為だけが大切なのではなく、私達の心をうつのはやはり人間が描けているかどうかなのですね。いつまでも忘れられない名作に出会えました」(画家・室井亜砂二氏)
「『机の下の楽園』というのはすばらしい傑作ですね。
 調教(いやな言葉ですがtrainingに相当するいい日本語がないもので)が進んでいく臨場感から、最後の主人公が自分で机の下にもぐりこんで彼女が見ていた世界を自分で確かめてみるという涙が止まらなくなるラストシーンまで一気に読ませてしまいます」(読者)
「著者は解説文の中で、この小説を「SM純愛小説」だといっています。
 なるほど、わかる気がします。
 とにかく女性は、主人公の男から愛されつづけ、さまざまな形で、エネルギッシュにもてあそばれるのです。
 私には、この小説の中の「僕」のように、情熱と欲望を持続させることは、とてもできないように思います。
(実際にはできないから「空想小説」なのでしょうけど)
 でも、いくじなしの私は、空想するだけで疲れてしまいそうです(ゴメンナサイ、私は弱虫です)。
 ということは、この小説の中で展開するSM妄想が、いかにおもしろく、刺激的で、すばらしいか、ということです。
 いってみれば、SM小説のおもしろさは、いかに現実から遠く離れて、非日常の世界を描くか、にあるのかもしれませんね」(濡木痴夢男先生)



<やさぐれM night> SM同人誌『イシスの裏庭』所収

 仕事ができて美人だが、恋はいつもうまくいかない川島渚子。恋人に振られた晩、知り合いのワイルドなカメラマン・畝亮三となりゆきでホテルへ行き、どんどんSMの深みへはまってゆく。変態になるのがイヤな渚子は抵抗するが、畝の魅力にもあらがえない。「好きになってもいいかな」と思った矢先、ある事件が起きる。

■評
「作中の畝亮三という男性は途方もなくかっこいいのだ。(中略)
とてもフィクションの中の人間とは思えないくらいに、リアルに、上手に描けていましたよ。
 すてきな男性オーラをまき散らすそのカメラマンの畝亮三(ウネビリョウゾウ)さんが、ふいにタイの少女たちのところへ飛んで行って、消えた猫を探す話とか、新宿のディープな裏通りにあるバーのママの描写とか、ほんとに上手に楽しく描けていました。
 だからこそ、文中の私つまり川島渚子(ナギコ)の心理が、まるで佐伯香也子さんご自身のように生き生きと、読者の心にせまってくるのです」(濡木痴夢男先生)



<アニスタ神殿記> 『秘性』連載長編(‘12年5/28私家版発売)

 天空に浮かぶ巨大な島であるアニスタは、三十三人の神人(しんじん)によって守られる、閉ざされた世界だった。
 農業と牧畜で暮らす素朴な人々の関心事は、毎年神人たちに捧げられる五人の神殿女の昇殿式。今年もまた、イレナ、サレー、カリュ、ネイア、エトレという美しい乙女達が選ばれた。
 しかし、神に奉仕しつつ、しあわせに暮らすものと思われていた神殿女を待っていたのは、想像を絶する拷問の日々だった。
 神人たちのつくり出す気味の悪い生き物・獣人(じゅうじん)や、残酷な責め具によって、ボロボロにされる乙女たち。それを再生医と呼ばれる医師達が元の身体にもどし、翌日もまたくり返される激しい責めと快楽。
 なぜ、神殿女達は拷問されなければならないのか。なぜ、アニスタは閉ざされているのか。
 最強の神人ゼルラウスに仕えることになったイレナと再生医アリオンの恋や、他の神殿女達の苦悩を織り交ぜながら、アニスタの秘密が次第に明らかにされてゆく。
 濃い霧に包まれた世界で繰り広げられる、被虐と快楽の行き着く果てを描いた、壮大なSMファンタジー。

■評
「これは凄い小説ですね。余計なサイドストーリーに逃げること無く、延々と続く拷問シーンの徹底さ、この想像力とパワーに圧倒されます。今まで日本で書かれたSM長編小説では『家畜人ヤプー』や『大噴火』『宇宙のどこかで』などの名作群に並ぶ力作ですね」(画家・室井亜砂二氏)
「すべての苦痛と苦悩は、この壮大なクライマックスのためだったのですね。
女性の視点から描かれた物語、そこに秘められた想い、あとがきを読んで「なるほど。」と知らされました。
244ページにも及ぶ長編小説を書き上げる、筆力にただただ感服です。新たな世界を観させてもらって、ありがとう」(読者)



<雨利錬九郎> 私家版『佐伯香也子作品集1』所収

 雨利錬九郎は、もと八丁堀の与力。恋人の香穂は、女戯作者である。
 四十四歳で息子に家督をゆずって楽隠居した錬九郎の元へは、表に出せない商家のもめごとなどが持ち込まれる。
 錬九郎は、十九歳年下の香穂と秘具や縄を使った淫靡で濃密な時をつむぎながら、鋭い洞察力と深い人間味でそれらを解決してゆく。

■評
昔「裏窓」で読んだ時代小説のようなムードがなつかしい。(画家・室井亜砂二氏)

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